特徴(特性)
ハイゼントラは、国内で初めて自己注射によるCIDP維持療法を可能にする唯一の皮下注用人免疫グロブリン(SCIG)製剤です。
- 国内で初めて開発されたSCIG(subcutaneous immunoglobulin)です。
- 本剤は免疫グロブリンG(immunoglobulin G:IgG)として20%という高濃度のタンパク質を含有しているため、投与あたりの投与量を低減することが可能となりました。 少量を高頻度で投与することにより、血清IgG値の変動が静注用人免疫グロブリン(intravenous immunoglobulin:IVIG)よりも少なく、より生理的なIgG値が維持できます。
- 皮下注射するため、静脈の確保が困難な患者へも投与が可能です。
- 皮下注射であるため、患者の自己投与および在宅投与が可能です。
- IVIG前治療によりCIDPの状態が安定していた患者(日本人を含む)を対象としたPATH試験において、再発またはその他の理由により試験を中止した被験者の割合は、ハイゼントラ0.2g/kg体重群38.6%、0.4g/kg体重群32.8%と、プラセボ群63.2%と比較して有意に低いことが示されました(それぞれp=0.007、p<0.001、片側Fisher確率検定)(検証的解析結果)。
- CIDPの患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(継続投与試験を含む)において、197例中58例(29.4%)に196件の副作用が認められました。 主な副作用は、注射部位の局所反応39例(19.8%)で、本剤投与9,778回中133件(1.4%)でした。(承認時)
重大な副作用として、アナフィラキシー反応、無菌性髄膜炎症候群、血栓塞栓症、肝機能障害、黄疸、急性腎障害、血小板減少、肺水腫が報告されています(いずれも頻度不明)。
なお、国内で承認されている無又は低ガンマグロブリン血症については、以下の副作用が報告されています。
原発性免疫不全症候群の患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において、25例中21例(84.0%)に175件の副作用が認められました。主な副作用は、注射部位の局所反応20例(80.0%)で、本剤投与584回中160件(27.4%)でした。(承認時)
詳細は、電子添文の副作用及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。
4. 効能又は効果
- 無又は低ガンマグロブリン血症
- 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)
6. 用法及び用量(抜粋)
- 〈慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)〉
通常、成人には人免疫グロブリンGとして1週あたり200 mg(1 mL)/kg体重を1日又は連続する2日で分割して皮下投与するが、患者の状態に応じて、最大 400 mg(2 mL)/kg体重から投与を開始することもできる。なお、維持用量は 200 ~ 400 mg/kg体重で適宜増減する。
「禁忌を含む注意事項等情報」等については、電子化された製品添付文書をご参照ください。