溶解と投与方法
溶解操作編 スリートック版
溶解操作の前に必ず行ってください
①作業する場所を確保し、清潔にします。
50センチ四方以上の広さがあり、明るく平らな場所を確保します。
②手を石けんでしっかり洗います。
指と指の間や爪の周囲、手の甲もしっかり洗います。
(1)薬剤バイアルと溶解液バイアルのキャップを外し、ゴム栓をアルコール綿で拭きます。
【注意】
・ゴム栓をアルコール綿で拭いたあとは、さわらないでください。
・溶解液バイアルは手前に置きましょう。
(2)スリートック®の包装容器のふたをはがします。
【注意】
・中に入っているスリートック® を包装容器から取り出さないでください。
・スリートック®の接続部分をさわらないでください。
(3)スリートック®を包装容器ごと持ち、青色側の穿刺部を、頭部が青色の溶解液バイアルのゴム栓の中心にまっすぐ下向きに刺し込みます( a )。
包装容器をスリートック®から慎重に外します( b )。
【注意】
・スリートック®を薬剤バイアルに刺さないでください( a )。
・包装容器のみを取り外します。スリートック®を引き上げないでください( b )。
・スリートック®側面のシールは操作❻まではがさないでください。
(4)溶解液バイアルを逆さまにし、バイアル全体をしっかりと握り、透明側の穿刺部を、 下に置いた薬剤バイアルのゴム栓の中心にまっすぐ下向きに一気に刺し込み、溶解液を薬剤バイアルの中に移行させます。
【注意】
・斜めに刺さないで、まっすぐゴム栓の中心に刺してください。
・水平な台の上に薬剤バイアルを置き、しっかりとバイアルを手で押さえながら刺してください。
(5)そのまま台の上で、薬剤バイアルをゆるやかに、小さく円を描くように回し(激しく回さない)、完全に薬剤を溶かします。
【注意】薬液の色は無色~わずかに乳白色に変わります。
(6)スリートック®側面のシールをはがします。
(7)スリートック®の青色側の部分を反時計回りに回して2つに分けます。
(8)注射器に空気が入っていないことを確認し、薬剤バイアルが直立した状態で、注射器も直立させ、スリートック®のルアーロックに時計回りに回しながら取り付けます。
【注意】
注射器ロック部ねじを回す際、しっかり止まった所から必要以上に回しすぎないよう注意してください。
※ルアーロック:ねじ込み式の接続方法
(9)薬剤バイアルを上にして、プランジャーロッドをゆっくりと引き、薬液を注射器の中に移行します(a)。
【注意】・必ず薬剤バイアルを上にした後に、プランジャーロッドを引いてください。
・ゴム栓には広い溝と狭い溝があります。ゴム栓の広い溝が下になるように傾けると( b )、薬液をしっかりと注射器の中に移行できます。
・薬液を注射器に移行した後は、プランジャーロッドを押さないでください。
(10)薬液を注射器の中に移行したら、注射器を下にしたまま、スリートック®を反時計回りに回して注射器から外します。
【注意】 注射器の先端をさわらないでください。
(11)翼状針の接続部分が袋の切り口近くにくるように翼状針の袋を開け(a)、薬液を移行した注射器を翼状針の接続部分に差し込み、注射器を時計回りに回して取り付けます(b)。
【注意】 翼状針の接続部分をさわらないでください。
(12)注射器のプランジャーロッドを少し押して、薬液を針先まで満たします。
投与(注射)方法編
(1)駆血帯をしめる
通常、手の甲、またはひじの内側の血管に注射します。注射部位よりも10cmほど心臓寄りの部位に駆血帯を巻き付け、しめます。
【注意】 駆血帯は強くしめすぎないでください。
手の甲の場合
ひじの内側の場合
(2)注射部位を消毒する
血管が浮き出てくるので、注射部位の皮膚をアルコール綿で拭いて消毒します。
手の甲の場合
ひじの内側の場合
(3)翼状針を持つ
翼状針の針穴が上にくるようにして、翼のざらざらした面が外側にくるように持ち、針のキャップを外します。
【注意】・針先にはさわらないでください。
・注射器は転がらないようにタオルの上におきます。
正しい翼状針の持ち方
(4)血管に針を刺す
血管の走っている向きに合わせ約20°の角度で針を刺します。血管に入ったら、針を少し倒してさらに進めます。
血管への針の刺し方
手の甲の場合
ひじの内側の場合
(5)血液の逆流を確認する
血管に針が入っていれば、注射器のプランジャーロッドを少し引くと血液が逆流してきます。
【注意】血液の逆流は、翼状針のチューブ内へ少量にとどめ、注射器の中まで逆流させないでください。注射器の中まで逆流すると、エイフスチラの薬理作用によって血液中の成分が固まるおそれがあります。
血液の逆流の確認
(6)駆血帯を外す
駆血帯を外します。
【注意】薬液を注入する前に、駆血帯が外れていることを確認してください。
手の甲の場合
ひじの内側の場合
(7)薬液を注入する
注射器を持ち、ゆっくりと薬液を注入します。投与速度は、医師と相談して決めた速度を守りましょう。
【注意】 注入に抵抗を感じたり、痛みや腫れがある場合は、ただちに投与を中止し、針を抜いてください。
(8)投与終了後、針を抜く
薬液をすべて注入したら、注射器を台の上に置きます。アルコール綿を針の上にのせ、針を抜きます。
(9)止血する
完全に止血するまで(3~5分)、アルコール綿で注射部位を押さえたままにします。止血を確認し、絆創膏を貼ります。
【注意】
・注射器や針の片付けは、完全に止血してから行ってください。
・使用済みの針はしっかりカバーをします。
・翼をもって、カバーをかぶせます。
(10)投与の記録を書く
投与日時、使用した薬剤のロット番号、投与量、注射部位等、必要事項を投与記録表に記録します。