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血友病

患者さんとご家族に近いわたしたちだからできること 第7回 保因者/女性血友病患者さんへのケア

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第7回 保因者/女性血友病患者さんへのケア

第7回 保因者/女性血友病患者さんへのケア

【監修】 大阪医療センター 血友病科 看護師/血友病ナースコーディネーター 石田 奈々 看護師

 2本のX染色体のうちの1本に変異を有する女性を保因者と呼びます。父親が血友病患者さんの場合、母親のX染色体に変異がなくても女児は全員保因者となります。父親のX染色体に変異がなく、母親が保因者だった場合、女児は1/2の確率で保因者となります。父親が血友病患者さんで母親が保因者の場合、女児は1/2の確率で血友病患者か保因者のいずれかになります。 
 通常、保因者は無症候性であるといわれていますが、約1/3は凝固因子の活性レベルが正常の60%未満であり、軽症の男性血友病と同様の症状を呈するとされています。また、女性特有の出血症状として月経過多や産後の異常出血のリスクを伴うとされています。 
 なお、2022年に行われた血液凝固異常症全国調査では、日本における女性血友病患者数は血友病A 94人、血友病B 38人1)少ないものの、World Federation of Hemophiliaは、保因者数は男性血友病患者さんの1.6~5倍としています。 

石田 奈々 さん

大阪医療センター 血友病科 看護師/血友病ナースコーディネーター


近畿ブロックの血友病診療拠点病院である大阪医療センター血友病科に所属、看護師/血友病ナースコーディネータとして活動中。 同科を訪れる新生児から高齢者までの幅広い年齢層の血友病患者および保因者、ご家族を対象に、人生の転換期にとどまらず、不安や疑問を抱いた際に気軽に相談できる状況を醸成、適切なケアを提供することが目標とのこと。従来の診療システムにおいてケアの対象から外れることの多かった保因者の把握、情報提供、血友病患者と同様のサポートを実践するための施設内外での診療連携構築に貢献しようと奮闘中。

JPN-AFS-1933

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