第3回 思春期の血友病患者さんへのケア
【監修】 宮城県立こども病院 早坂 広恵 看護師
思春期は小児期と成人期の間に位置し、第二次性徴や性的関心が現れる時期とされています。個人差はあるものの、一般に小学校高学年から始まるとされ、感受性や気分が高揚するとともに不安や心理的動揺が現れ、第二反抗期とも呼ばれます。
血友病患者の場合でも母親の言うことを素直に聴けなくなる、もしくは反発心が出てくるのがこの時期であり、治療アドヒアランスの低下が問題となります。
早坂 広恵 さん
宮城県立子ども病院
東北地方における小児診療の拠点病院である宮城県立子ども病院看護部に外来看護師として所属。複数の診療科を担当するという同院のシステムの中で、血液腫瘍科を受診する血友病患児および家族のケアに従事。血友病患児・家族に関する豊富な看護経験と知識を持ち、“母親の孤立を防ぐ”をスローガンに、特に家族に重点を置いたケアを実践中。原著論文「当院における血友病保因者の現状と課題」(The Japanese Journal of Pediatric Hematology/Oncology vol.58(2): 149‒155, 2021)の共著者