投与方法
1.薬剤の溶解
【注意】
・ トランスファーシステム(nextaro)を複数の溶解に繰り返し使用しないでください。
・ 溶解液が薬剤バイアル(粉末)中に全量移行したことを確認してください。
❶キャップを外す
バイアル(薬剤、溶解液)が室温になっていることを確かめたうえで、バイアルの保護キャップを外します。
❷消毒
それぞれのバイアルのゴム栓上部を、消毒用アルコール綿で丁寧に拭き、完全に乾かします。
❸トランスファーシステム(nextaro)の開封
トランスファーシステム(nextaro)のパッケージのふたをはがして開封します。まだパッケージから取り出さないでください。
➍トランスファーシステム(nextaro)を溶解液バイアル(液体)に取り付ける
①溶解液バイアル(液体)を平らな場所に置き、トランスファーシステム(nextaro)を溶解液バイアルのゴム栓の中心にしっかりと、まっすぐ押し込みます。
②トランスファーシステム(nextaro)のパッケージのみを垂直に引き上げ、トランスファーシステム(nextaro)から慎重に取り外します。
➎薬剤バイアル(粉末)を取り付ける
薬剤バイアル(粉末)を平らな場所に置き、トランスファーシステム(nextaro)を取り付けた溶解液バイアルを逆さま(溶解液バイアルが上の状態)にして、薬剤バイアルのゴム栓の中心に押し込みます。このとき溶解液が薬剤バイアル中に自動的に移行します。
❻薬剤の溶解
トランスファーシステム(nextaro)を取り付けたバイアルをゆっくりと旋回させ、溶解液が薬剤バイアル全体に行き渡るようにします。必要に応じ、薬剤と溶解液の各ペアについて、この手順を繰り返し行います。
2.シリンジの準備
【注意】
・ 内筒はゆっくりと引き、急には引かないでください。
・ 複数のバイアルを使用される場合は、➌のイラストのようにバイアルが上、シリンジが下の状態で、空気をバイアルに注入してください。
・ 薬液が濁っている、粒子が浮遊している、変色している場合は、薬液を注射せず、すぐに主治医に連絡してください。
❶薬剤バイアルを外す
トランスファーシステム(nextaro)の青い部分を反時計回りに回し、溶解液バイアルとトランスファーシステム(nextaro)を離します。薬剤バイアルの上部にシリンジと接続するアダプターが確認できます。
❷シリンジの取り付け
空のシリンジの内筒(ピストンのように動く内側部分)を引いて空気を1~2mL取り込んだシリンジを、薬剤バイアルのアダプターに時計回りに回転させながら差し込みます。シリンジ内の空気を薬剤バイアルに注入します。
❸薬液の吸引
シリンジの内筒を押し下げたまま、バイアルをまっすぐ逆さまにします。内筒をゆっくりと引いて、合計投与量※の薬液をシリンジに抜き取ります。
※翼状針の場合、投与量にプライミングの量を加えた量。
複数の薬剤バイアルが必要で、そのうち1本のバイアルからは一部の量だけが必要な場合は、先に一部の量の薬液を抜き取ってください。その後、他のバイアルから薬液を全量抜き取ってください。
(例:6mL投与が必要な場合は、1本目から一部の量2mLの薬液を抜き取り、2本目から全量を抜き取る)
バイアル内の薬液を抜き取った後、次のバイアルにシリンジを差し込むまでの間は、シリンジの先端をまっすぐ立てた状態にしてください(テーブルの上に横にして置かないでください)。次のバイアルの薬液を抜き取る前に、空気を1~2mLシリンジに取り込んでください。
➍薬液の確認
シリンジに薬液が必要量取り込まれたら、内筒が下を向いた状態で上から見たときにシリンジを反時計回りに回転させ、アダプターから取り外します。シリンジを立てた状態で余分な空気を取り除き、シリンジ内の薬液を観察し、最終的な薬液の量が合計投与量※と同じであることを確認します。
※翼状針の場合、投与量にプライミングの量を加えた量。
3.針の取り付け/プライミング
【注意】
・ 皮膚に針を刺した状態で、プライミングを行わないでください。
・ 薬液を針先からたらさないでください。
・ 注射開始前にチューブの空気が抜けていることを確かめてください。( 微細な気泡は残っていても問題ありません)
針の取り付け/プライミング※(翼状針の場合)
※チューブから空気を抜き、針先まで薬液で満たす作業のこと。
❶翼状針をシリンジに取り付ける
翼状針のキャップを外し、薬液を入れたシリンジに取り付けます。
❷薬液を針先まで満たす
シリンジの内筒をゆっくり押して、チューブから針先までを薬液で満たしてください。
針の取り付け(皮下注射針の場合)
皮下注射針を取り付ける
シリンジをしっかりと持ち、パッケージから取り出した皮下注射針を注意して取り付けます。注射の準備ができるまで、針は保護用針カバーをつけたままにしてください。
4.針の刺入
【注意】 チューブに血液が逆流した場合、針を一旦抜き、翼状針をシリンジから外して廃棄します。新しい翼状針で、針の取り付け/プライミングから再度行ってください。
翼状針の場合
❶刺入
注射部位の消毒後、皮膚をつまみ、皮膚に対して90°の角度で翼状針を刺してください。
❷固定
皮下へ針を刺入できたら、翼状針のうえからサージカルテープを斜めに交差するように貼り付けて、翼状針がずれないように固定してください。
❸逆血確認
シリンジの内筒をゆっくりと引いて、チューブへ血液の逆流がないか確認してください。
皮下注射針の場合
【注意】 シリンジに血液が逆流した場合、針を一旦抜き、皮下注射針をシリンジから外して廃棄します。新しい皮下注射針で、針の取り付けから再度行ってください。
❶
注射部位の消毒後、針カバーを持ち、シリンジをゆっくりと引っ張って針カバーを外します。
❷
4本の指と親指で挟むように、シリンジを持ちます。
➌
もう片方の手の親指と人差し指で、消毒用アルコール綿で拭いた注射部位の皮膚をつまみあげます。
➍刺入
シリンジを皮膚に対して45°~90°の角度で持ち、皮膚をつまみ、針を向けます。皮膚をつまんだまま、シリンジを皮膚に近づけ、針を刺します。
➎逆血確認
シリンジの内筒をゆっくりと引いて、シリンジへ血液の逆流がないか確認してください。
5.注射及び針の取り外し/廃棄
【注意】 針先に十分注意してください。
❶注射
シリンジの内筒をゆっくりと押し込んで、薬液を注射します。
❷針の取り外し
<翼状針の場合>
サージカルテープを注射部位から外し、針をゆっくりと抜きます。
<皮下注射針の場合>
皮膚から手を放し、針をゆっくりと抜き取ります。
❸
注射部位から出血がないことを確かめた後、ばんそうこうで保護します。
軽い出血があるときは、出血が止まるまで消毒用アルコール綿で押さえて
ください。
[注射部位]
お腹の皮下(皮膚の下)等に注射してください。新しく注射する部位は、前回注射した部位から5cm以上離れた場所にしてください。
➍針の廃棄
医療機関や自治体により廃棄方法が異なる場合があります。
(翼状針の場合)
翼状針は針カバーをつけずにシリンジごと、輸液チューブがついたまま廃棄ボックスに入れます。
(皮下注射針の場合)
皮下注射針は針カバーをつけずにシリンジごと、廃棄ボックスに入れます。