わが国の「慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン2013」5)において、第1選択治療法として、副腎皮質ステロイド薬、経静脈的免疫グロブリン療法(IVIg)、血漿浄化療法の3つが推奨されています。
Ⅰ. 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
Clinical Question 7-1:第1選択の治療法は何か
推奨 ① CIDPの治療法には第1選択と補足的治療がある。治療法の第1選択は副腎皮質ステロイド薬、経静脈的免疫グロブリン療法(IVIg)、血漿浄化療法である(グレードA)。 この3つの間に優劣はない(グレードA)が、簡便性と忍容性の高さは副腎皮質ステロイド薬とIVIgが血漿浄化療法より優れる点である。 3つの第1選択のいずれかが無効と判断された場合は、後述する補足的治療に安易に移行することなく、他の第1選択治療を施行することが望ましい。
グレードA:強い科学的根拠があり、行うよう強く勧められる。
「慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー,多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン作成委員会編集:慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー, 多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン 2013(日本神経学会監修), p.67, 2013, 南江堂」より許諾を得て転載
CIDPに対するIgG療法において、現在は患者ニーズに適した治療選択が可能な時代です。
わが国におけるIgG製剤によるCIDP治療の変遷
※1 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善
※2 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)
※3 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善
※4 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)
文献
5)慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー,多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン作成委員会編集:慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー, 多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン 2013(日本神経学会監修), 2013, 南江堂